宮川バネ工業株式会社

取材:滋賀大学 東千裕・村田佳菜子    撮影:滋賀大学 佐土和平・杜暁丹


インタビューご担当者

氏名:宮川草平氏

役職:代表取締役

 

 



《会社の概要》

滋賀県東近江市園町にある宮川バネ工業株式会社は、主に金属製バネのプレス加工を行っています。昭和28年に創業され、60年以上の歴史がある企業です。昭和52年には品質管理優良協力工場認定を松下電工株式会社(現:パナソニック電工株式会社)より受けています。また平成29年には若者の採用や育成を積極的に行うユースエール企業として、滋賀労働局より認定されました。

◆バネ加工業である誇り

《事業上の強み》

 金属製板バネのプレス加工を事業としています。注文を受けてから金型を製作し、生産をして納入する完全受注生産を行っています。納入先は自動車業3割、家電業3割、その他農業、建築、インフラ業界等への部品供給を行っています。例えば家電業界に向けて、ビューラー・まつげカーラーといった美容製品に使われている部品を供給しています。

 その中で事業上の強みはプレス加工業との違いです。バネ加工業とプレス加工業は一見同じような仕事に見えますが、扱う材料が異なります。バネ用の材料は硬く粘り強いため、曲げ加工を行っても元の形に戻ろうとする(スプリングバック)ので、加工が難しいです。宮川バネ工業株式会社では蓄積されたノウハウや独自の設備、社員の熟練の技術により、お客様の要望に即したバネを製造しています。

 また、滋賀県の中小製造業のグループでマトリクス・ハンガーという掲示具の共同開発も行いました。この商品は画鋲の必要のない掲示板です。そのため、画鋲などの異物混入の機会が減ります。加えて、掲示が簡単にできるので、掲示物の更新サイクルを早めることができます。


◆社員の生活を守る

《会社の特徴》

 人材育成に力を入れています。中小製造業では後継者が不足しているという問題があり、経営者、職人ともに人材不足に悩んでいます。バネを作る仕事でも、一人前になるためには10年近い期間が必要です。そのため、宮川バネ工業株式会社では若者の採用や企業への定着、労働環境向上を目指しています。企業の存続は、お客様への部品供給責任を果たすと共に社員の生活を守ることを意味します。


◆周囲の人との関わり

《今後の展望》

 お客様の要望をより重視した事業をします。バネ単体を作って納品するだけでは、お客様のニーズを満たすことはできません。後工程の組立や梱包などにも対応し、お客様の要望により即した受注生産を行います。

 また、日本の製造業界で起こっている人手不足や後継者不足などの問題に対応するため、高度な技能と人間性を兼ね備えた人材を育てて送り出し、日本の製造業界を支える役割を果たしていきたいと考えています。


◆働きやすさの追求

《会社の特徴》

 労働時間、離職率、有給休暇などの項目において高い基準を満たしており、若者の採用や育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な企業に認められる、ユースエール認定を受けています。また、1年に1度社長と社員の面談を行っており、社長とのコミュニケーションが取りやすい環境をつくっています。月に1度外部から講師の方に来ていただき、技術面でもサポートをしています。


◆人づくり

《どのような学生を求めているか》

宮川バネ工業株式会社ではたくさんの機械を取り扱っているため、社員の安全を守るためにも、手順やルールをきちんと守れる人を求めています。また、主体性があり、人にものを教えられる、ということも重視しています。そのため、学生時代にいろいろな新しいことに挑戦し、たくさんの体験の中から好きなことを見つけてほしいと考えています。

《社員育成について》

入社して半年間、新人社員は朝礼で社長とビジネスマナーについて学び、金型についての勉強をします。その後、いろいろな部署に配属される、もしくは製造の学校に行き、さらに深く学びます。また、月に1度全社勉強会が開かれます。同じ内容の講義を2回行い、全社員がきちんと受講できるよう工夫しています。


《職場の雰囲気》

《取材を通じて感じたこと》


宮川バネ工業株式会社に実際に伺って、社長と社員の方の距離が近い職場であると感じました。工場の中を見学させていただいた際に、社長が気さくに社員の方に話しかけておられ、また、社員の方もお互いに技術を教えあっておられました。1人で作業することが多い中で、きちんとコミュニケーションをとることを大切にしていらっしゃることが感じられました。

社員の方々が、皆真剣にそれぞれの仕事をしている姿がとても格好良かったです。同じ作業を繰り返すことはとても集中力が必要で、少しでも間違えてしまうと違うものを大量に作ってしまうことや大怪我をしてしまうことがあるとおっしゃっていました。だからこそ、それぞれが自分の仕事を正確に丁寧に行うことを徹底していらっしゃる、ということが感じられました。


◆たくさんの愛

宮川草平社長の「社員への愛」が一番の魅力です。社長は会社の外でお話しさせていただいたときや取材の合間に雑談しているときには、いつも素敵な笑顔を絶やさない方です。しかし、取材中のお仕事の話では、常に真剣な表情をされます。お話の内容やご様子から、自分の会社のことをよく知っておられること、仕事の1つ1つやその流れを理解しておられることが言葉の端々から伝わってきました。そのため、仕事の何が大変かや、何に努力が必要かを把握しておられ、社員1人1人をより細かく理解しておられると感じました。また、地元のスポーツ団体のスポンサー企業になられるなど、地域に貢献されています。お客様の満足はもちろん、社員を守り、地域に貢献される社長の姿からは、たくさんの愛を感じました。

《企業概要》

企業名:宮川バネ工業株式会社

代表者名:宮川草平

役職:代表取締役

住所:滋賀県東近江市園町31-1

TEL:0749-46-0193

HPアドレス:http://www.m-b-k.co.jp/

設立:昭和28年

従業員数:39名

年商:4億5000万円

業種:製造業

事業内容:金属バネの製造

経営理念:強くあれ優しくあれとバネは在り

     もてる命を生かすこそ道

インターンシップ受入:2016年2月、9月に実施

海外留学生の受入:有

外国人の就労の有無:有